「カンディンスキーとシェーンベルク」 プロデュース・リポート

2年目を迎えた「くにたちデビューコンサート」シリーズ、お楽しみいただいていますか?
音高に通い、“くにおん”(=国立音楽大学)に進学した音楽家も少なくないなか、芸小ホールでそうした彼らの演奏に耳を傾け、お客様の感想による「応援」と「交流」をぜひお願いしたいとの思いが込められています。
実はこのコンサート、国立音楽大学が推せんする新進演奏家が出演していることをご存知でしょうか。
同大で学び、将来の音楽界を担う若い音楽家たちが、芸術小ホールから羽ばたいていくのです。そして今回開催のVol.03は、企画・制作も音大生が手掛けています。そんな彼らの奮闘ぶりをご紹介します。


左から鈴木友理さん、山﨑楓さん、岩重かをるさん、於保美咲さん、渡辺優奈さん

「マネージメントコース」って?
 さて、国立音楽大学にはマネージメントコースという副専攻があるのを、ご存じでしょうか? ステージに立つことを主としてきた音大生ですが、声楽、器楽、作曲など様々な専門課程を修めながら、ダブルキャリアいわゆる副専攻の一つとして「マネージメントコース」を選択し、コンサートホールなどで企画制作に携わる専門家の道を目指す音大生もいるのです。
 このコースではコンサートなど興業の現場経験を積むことを通して、音楽ホールの企画・運営や演奏団体でのマネージメントができる人材の育成をめざしています。
 今年度のデビューコンサートの計画を進める中で、マネージメントコースの学生が手がけたコンサートの企画があると提案を受けて、この企画を採用したのが、今回の「見る音楽、聴く絵画」という副題を持つコンサートです。

音楽と美術の融合
 今回のデビューコンサート「カンディンスキーとシェーンベルク」を企画立案したのは、ピアノを主専攻とする4年生たち5名です。
 構想は3年次のマネージメントコースの授業を通じて仕上げたそうです。
「音大に通っているけど美術だって大好き」という思いが企画の第一歩でした。音楽と美術を同時に楽しめる企画づくり、そして音大生らしい専門性も失わないように指導を受けながら、コンサートの企画書がまとまりました。
 表現主義と抽象の巨匠カンディンスキーとシェーンベルク。美術と音楽で、時を同じくして芸術表現の新たな様式を生み出した2人の巨匠の交流というテーマにたどり着きました。実はこの2人の交流は、これまでにも様々な形でスポットが当てられてきました。さて、彼女たちの企画のオリジナリティはどのように発揮されるのでしょうか。
コンサートとして音楽と美術の融合が果たされるのか、どうぞご期待ください。

プロデュースするってどんなこと?
 プロデューサーの卵として、彼女たちの日々の仕事は多岐にわたります。大学とホールとの連絡調整、出演者と練習会場、楽器の手配、進行台本や演出、プログラムの執筆と作成、チラシの作成に広報、そして販売促進まで。日々チーム一丸で取り組んでいます。良いコンサートを実現するために、時には学外にツテの無い専門家を探り出し、ヒアリングにも出かけました。
さすがに演奏者の選出では、経験の蓄積と深い学識に富む教授陣の全面的な支援に助けられました。おかげで高度な楽曲と言われるプログラムに相応しい最優秀の院生や卒業生の出演を実現することができました。彼女たちがこの道に進み経験を積めば、新進気鋭の音楽家を売り出している将来もあるのではないでしょうか。

裏方にもご注目ください!
 大学4年生。試験や教育実習、就活に進学準備、これまでの音楽の学びを集大成する今このとき、学びと音楽と青春が交差するただ中に、この企画の実現に奔走するプロデューサーの卵たちがいます。
 当日はステージに姿を見せない彼女たちですが、演奏者と心を合わせて、コンサートに来場する皆さまにどのような思いを伝えることができるでしょうか。そんな見方で、このコンサートを楽しんでみる方法もあるのです。